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Technical Sweet

定点観測画像記録発信システム
Sorry, Only for JAP. & IE3.02
Copyright Muse Ishikawa. 1998

自動カメラ切替え器の製作
自動カメラ切替え器の製作

一台のPCとビデオキャプチャカードで、複数のカメラを切替えながら撮影することが出来れば、低コストで便利な観測システムが構築できます。 ELEKIT から¥2,500で発売されている KPS-3231 を利用してビデオ信号を ListCamで切り替えながらキャプチャカードに送り込む仕掛けを製作します。KPS-3231は、映像信号、ステレオ音声を5系統入力できます。音声はミュート機能付き。
●電源電圧/DC8〜13V ●消費電流/8.2mA(9V時)●定格入力/映像1V P.P 音声2V ●周波数特性/20〜100KHz(音声のみ)●ミュート特性/-86dB(音声のみ)●基板サイズ/120×80mm ●定価¥2,500
● 制御方法を決める

PCからの制御信号を出力する手段としては、RS232Cポート、プリンタポート、バスからのエクステンションなどが考えられますが、汎用パラレル出力基板を使ったバスラインからの出力は、一般的に煩雑なので今回は用いません。家にデジタル入出力基板の転がっている方は、利用するのが確実かと思います。たぶん、そういう基板を持っている方は、私が紹介するまでも無く、部材を見ただけでご自分で作ることの出来る方でしょう。^^
市販の低価格ビデオスイッチ。このクラスの物でも十分実用的だ。主動で切り替えるならお薦め。しかし、どうせならリモートで自動的にキャプチャリングに合わせてカメラが切り替わるようなシステムが欲しい。
このような小型のタイプもある。いずれも家電用品店やDIY店、カメラ店などで数千円から販売されている。主にプレイステーションやSFCの売り場によく見かける製品。筺体と端子板だけ利用して、切り替えをリレーに置き換えるという安直な方法も捨てがたい。できるだけ時間と手間と予算を省きたい。
 さて、そういう訳で、今回はRS232Cかプリンタポートからの出力で制御することを考えます。プリンタポートからの出力の場合、データバスに信号を流した後、アクノリッジ信号でラッチ(保持)させる必要があります。RS232Cポートの場合は、出力電圧のレベルがTTL準拠ではありませんので、レベルシフト回路を挿入する必要があります。これも、ラッチは必要です。どちらを使うかは、周辺機器の状況を考慮して決めると良いでしょう。

 使用するポートが決まった時点で、どのようなシーケンスを用いて制御するかですが、KPS-3231はスイッチャ用のLSIはパラレルのビット制御で入力ポートの選択をしていますが、その前段の回路ではスイッチ入力によるシリアル−パラレル変換を行っています。押しボタンスイッチを一回押すたびに、入力が順送りで切り替わる仕掛けになっているのです。この部分を上手く使えば、ラッチ回路も不要に出来る可能性があります。

 リセット信号と、その後のパルス数で入力端子を選択すれば、数本の信号線で制御可能になると思いました。動画であれば、切替え時のノイズが問題になりますが、静止画であれば、切り替えた直後にある程度ウェイトを置く処理で切替え時の画像の乱れを回避出来るでしょう。
● 実際に製作する
ELEKIT から \2,500で発売されている KPS-3231 とスイッチング電源、PCとのインタフェースをタカチ電機工業のアルミケース(US-130)に組み込み、キャプチャ用PCから5系統のビデオ信号を IEA-232 (RS-232C) インタフェースを利用し切替えるようにします。写真はパネル加工が終わり、仮組み立てした様子です。
可搬性を良くするために、電源も組み込み、PCだけでなく、リモコンスイッチでも切替え可能なようにコントロールジャックも用意しました。5系統の入力はNTSC ビデオ入力で、その中から一種類の系統を選択できます。
内蔵電源は梅澤無線で購入したネミックラムダ製超薄型スイッチング電源で VS10B-12。価格は \1,580。ユニットの厚さは約 18mm で、薄型のケースに組み込むのには最適です。通常のスイッチング電源は 25mm程度の厚さが普通なので、この製品は重宝します。電源容量は 12V、0.8A と若干小さめ。
PCとのインタフェースは EIA-232(RS-232C) を用いて行いますが、切替器側のインタフェースはパネルスペースの都合から、Machintosh等で用いられているタイプのシリアルコネクタを採用しました。このコネクタは、PC-9801等のキーボード等でも使われていた物と同一です。基板回路図は別途掲載します。
手持ちの工具がチープなので、毎回パネルの加工には苦労します。シャーシパンチや電動工具が欲しい昨今です。パネルにサインペンで穴の位置を書き込み、ハンドドリルで 4mm 程度の穴を空けます。ドリルを当てる前に、リマー等の先端で、コン!と凹みを作って、ドリルが踊らないようにします。万力か何かで固定して行うのが良いでしょう。穴が空いたら、部品のサイズに合わせて、リマーで穴を広げます。四角い穴だけはハンドニブラを用いました。
パネル面は加工の際に、傷を付けないように。マスキングフィルムを貼ります。私は丁度エアブラシ用のマスキング用粘着フィルムが有ったので利用しています。セロテープや透明荷作りテープでも代用できます。穴を開けたあとは、小刀や丸ヤスリで穴の周囲を削り、バリを落としておきましょう。また切削クズが電子機器に入るとショートの危険がありますので、掃除機とゴミ箱、雑巾などを用意して、常にきれいにしておくと安心です。ねじを締める前には剥がさないと困ることになります。

内部の配線が完了し、コントロール信号を直接基板に与えて、切替試験を行しました。無事成功。ビデオアンプのゲインが高いのか、ちょっと映像信号が強い感じがします。受け側での調整の範囲内なので、そのままにしました。この時点に来て、まだコントロール信号の与え方に腐心しています。シリアルポートを使うのは良いのですが、使える出力信号は3本。プログラム側に負担を掛けないのであれば、AT機なら2本(RTS、DTR)です。切換え ICを直接制御するのであれば3ビット必要です。ですから、方法としては一回カウンタリセット用の信号を与えてから、必要なチャンネルになるまでコントロールパルスを与える方法を用いることにしました。
ビデオのイン・アウトのラインは短いのですが、念の為にビデオケーブルを使って配線しました。電源側のコネクタは、コネクタの組み立てに失敗して部品を減耗してしまったので、やむなく直接半田付けしましたが、我ながら情けない次第。
EIA-232(RS-232C)は±15Vの電圧が信号として用いられています。このため、TTLレベル(0〜5V)の C-MOSロジックに直接信号を導入することは出来ません。そこで、レベルコンバーターを入れます。一般的にはMAX232のような、専用レベル変換ICを用いますが、とにかく信号が入れば多少のノイズやレベル誤差は問題にならないような、今回の回路では、トランジスタを各1個使って、簡単にすませます。シュミットトリガC-MOSと抵抗でもOKなのですが、スペースの関係で、今回はトランジスタによるディスクリート回路です。基本的には、Hレベルが入るとトランジスタがONになり、C-MOS側の入力をGNDに落とします。C-MOS側は10KΩの抵抗で5V側にプルアップされているので、これで0〜5Vのロジックが完成します。保護回路などは入れてませんが、制御側が EIA-232と決まっているので、今回は省略です。左の写真はユニバーサル基板の切れ端に回路を組んで、KPS-3231の空きスペースに、スポンジタイプの両面テープで貼った様子です。KPS-3231はパターン2箇所をカットしてそこにこの回路の信号を割り込ませています。カットする場所は、IC3-cとIC3-dの間、IC3-aとIC3-bの間で切ります。ジャッパ線は、IC3-d、IC3-bの入力に半田付けします。EIA-232をH→Lに変化させることでIC2を動作させてますので、そのように動作するロジックを検討し作る際には自由にレイアウトしても良いでしょう。電子回路が苦手な方は、リレーを使って工夫してみると良いかと思います。

さて、実際に使用してみると、予想以上に信号に敏感で、トランジスタによる増幅効果の為か人体の帯電リークでもスイッチャが反応してしまいます。運用する際には、端子のNC開放はご法度という感じです。やはり、真面目にバイアス計算やインピーダンスの計算はしたほうが尻が落ち着くという感じですが、とりあえず、EIA-232に接続すれば内部でプルアッププルダウンが掛かって安定するだろうと、安易な気持ちでそのままにしました。バタつくようであれば、トランジスタに真面目にバイアス掛けることにします。

その他、KPS-3231 は電源電圧 8V〜13V という仕様ですが、8〜10V辺りでは切替後の画像が若干フリーズすることがあります。おそらく同期信号が所定のレベルに達していない事が有るのではと推測されますので、12Vで使用しています。スイッチング電源は7〜13Vの範囲で設定可変なのですが、画像を見ながら安定する位置で固定しました。
完成したPC制御型回線切替器。やっぱり、初めて電源を入れるときはドキドキします。過去何度もプシュー!やパン!を経験した身の上としては、緊張の一瞬です。今回は、初めてスイッチング電源を筺体に内蔵するという大技を使いましたが、そこら中に転がっているACアダプタの山よりは、コンセントのほうがスッキリするという感じです。さて、あとは、コントロールソフトと、対応する新型ListCamの製作に掛からなければ使えません。5台ものカメラを連続して切替ながらキャプチャしてゆくので、なにか新しいユーザーインタフェースを考案したいと思っています。それについては、また別のページで紹介させていただきますので、興味をもっていただけたらアドバイスを宜しくお願いします。
さて、完成したビデオセレクタを実際に各種CCDカメラに接続して、実動試験をしたところ、問題が発生しました。本来このエレキットのAVセレクタはモニタTVやVTRなど家電製品向けの簡易な仕様のため、ADコンバーター等で正確に同期信号と分離を行っているデジタル機器との相性があまり良くないのです。つまり、同期信号など基準の信号をTV等の家電製品はかなり動的に設定し、自動的にレベル合わせを行う機能が備わっていますが、低価格ビデオキャプチャカードは、そのような変動するペデスタルレベルに十分に追従出来ない場合が多いのです。そこで、信号レベルの最適値を設定するために、回路にパッチを当てることにしました。もちろん、精密に映像同期信号のレベル設定を行う場合は、映像同期分離を行って、各レベルを調整後合成して再びコンポジットビデオ信号にするのが良いのですが、今回は初めての試作品ということで、カスタム調整でなんとか切り抜けます。
写真の抵抗は、既存の抵抗にプローブで可変抵抗を上乗せし、最適値を設定した後その可変抵抗の抵抗値を固定抵抗に置き換えて、半田付けした様子です。ビデオバッファのトランジスタのバイアスR2とエミッタのドレイン抵抗R3に対し調整を加えました。おそらくこの値は製品によってかなりバラツキがあると思われます。電源電圧とも密接に関係しますし、利用するCCDカメラの出力波形レベルのバラツキにも関係します。安価なCCDカメラはかなりいい加減にレベル設定されていたり、設計者の好みが反映されていることが良くわかりました。この他、電源電圧もCCDカメラの特性に合わせ、5台のカメラが最も画質のや色調、同期の安定性が良くなる最大公約数で設定しなければなりません。おそらく、このビデオセレクタは使うCCDカメラに合わせ、個別に再設定しなければ安定しないでしょう。モニタTVに映すだけなら、全く問題無い事なのですが、デジタル機器は家電製品に比べかなり融通の効かない機材だと思います。蛇足ですが、そうしたアナログ技術に関して世界に十分なアドバンテージを持つ日本の家電製品技術の高さは、もっと自信を持って良い技術とノウハウだと思いました。
★ 製作してみようと思う方には、詳細な情報提供致しますのでご遠慮無くどうぞ。
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